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嗜虐の悦び 地下牢の女囚 |
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男に縛られ、男に責められる、というのは 何と素敵なことか!美佐子は溺れゆく… |
檻と鉄鎖 |
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そこは、只の地下室ではなかった。 シェルターとして造られたのだ。つまり、核戦争を想定しての地下壕である。造られたのは今から十数年も前で、造った志垣典吾は当時、ノイローゼと言われた。志垣は実業家で、浮世絵のコレクターで、戦史作家としても知られていた。多芸多趣味の男であり、特に戦争に関しての研究心は旺盛だった。それだけに神経過敏だったのかも知れない。アメリカから専門の技術者たちを招いて造らせたのだった。しかし結局は、志垣の在世中にこのシェルターが本来の目的で役立ったことは無論なかった。志垣は2年ほど前に、胃ガンで死んだ。68歳であった。 現在は地下牢であり、拷問部屋として使用されている。一隅に鉄格子で仕切った小さな牢があり、女が閉じこめられている。女の名は美佐子、27歳。美貌だった。美佐子は裸身に和服の長襦袢一杖だけまとっている。 その腰には帯も紐も無く、しどけない姿である。両手と首に枷をはめられ、太い鎖でつながれて、首伽についている鎖は、長さが約3m。手伽の鎖は70pほどだ。拘束としては、大して辛いものではない、これは、屈辱感を与えるための戒具にちがいない、そして、ここは明らかに女を閉じこめるための牢なのである。女牢なのだ。 粗末な古い鏡台が据えてある。鏡の中のやつれた自分の顔を挑め、美佐子は吐息をした。今日で5日、この地下室にいる。毎日、責められ、犯されていた。 身動きをすると、大げさな太い鎖が、冷酷な音を立てる。地上への出口は一つだけで、長い階段の上と下に頑丈な厚い扉がある。その扉が重苦しい音を立ててあけられ、美佐子は戦慄した。また責められるのだ。迫害者が、姿を現わした。ハンサムな中年男だ。男は責め道具の三角木馬の背に掛けてある縄の束をつかみ、檻の前へ行き、女を見据えた。 『どうだね、居心地は?』、美佐子は顔を伏せ、身を固くする。 『おい、女。居心地はとうだと聞いているんだ。聞かれたことには、返事をしろ』 |
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『貴船さん……おねがい! 私を帰らせてください!』、美佐子は哀願を始めた。 『ここで起こったことは、誰にも言いませんから、おねがい! 帰らせて!』 『ダメダお前は死ぬまでここで暮らすしかねえんだ。気入られる様に努めな!良い奴隷になる努力をしろ』 美佐子は唇をかみ、顔をそむけた。男は錠をあけて、檻の入り口を開いた。 『さあ、女。出ろ!』美佐子は、すぐには従わない。 『出るんだ、女。素直にしないと、餌をやらねえぞ』 |
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袖に手を通すことを許されず、腰紐も与えられず、ただ羽織っているだけの獄衣だったのだ。美佐子は腕で胸を掩い、背を丸めた。 『女。手を出せ』、男は両手の枷を外ずしてやり、女の背後へ回って命ずる。 『両手を後ろへ回せ。縛ってやる』と、恩に着せるような言い方をした。 『貴船さん……あなたは、とても無謀なことをしているんですよ。こんなことが、いつまでもつづくはずありません。今なら、まだ間に合います。私を帰らせてください』 『そのセリフは、もう聞き飽きたよ』 『私を誘拐して監禁するなんて、余りにも無茶です。マスコミは今頃、大騒ぎをしているでしよう。あなたの仕業と、すぐに判るはずです』 『さあ、そいつはどうかな。おれは万事、巧くやってるつもりだ』 『いいえ追及の手は直ぐにも伸びてくるはずです。貴方は私達にとって最大の攻撃目標だったのですから…』 『あの一件は既に解決済みだ!お前が出した条件通りにな。お陰様で和解と称するものをさせてもらった…』 『でも散々、揉めた末に渋々の和解でしょう。貴船さんが私を憎んでいる事は日本中の人が知ってます。』 『うるせえ!』、縄の束が女の背中を強く叩いた。 『ううッ……』、美佐子は、悲鳴を咬み殺した。 『話し合いをするために、お前を捕まえたんじゃねえんだ。手を後ろに回して組め!』 逃げることは不可能である。首には、まだ枷と鎖がついているのだ.男は用心深くて、この5日問、縛る前に首枷を外ずしたことは只の一度もなかった。 『女。早くしろ、早く!』バシッ! と今度は腰を叩いた。 『痛い! ぶたないで!』 『じゃあ早く手を組め。おれも余り叩きたくはねえんだ。どうせ叩くなら、縛り上げてからの方が面白いからな』 ようやく美佐子は服従した。白い両腕が慄えながら辛そうに、口惜しそうに、腰の後ろへ両手を接合させて 『何だ、その手は! ちゃんと組むんだ!』 美佐子は、命令とは少し違うことをしていた。右手で左手首をつかんだのである。 『もっと叩かれたいのか、てめえ!』 『いやです……』 『じゃあ、素直に手首を重ねろ!』 『自分から、縛られる形になるなんて……』、美佐子は、首をふった。 『そんなこと……できません』 『まあ、よかろう。そのうち、できるようにしてやる。おれが縄を用意したら、黙っていても後ろ手になって手首を重ねるように、必ず仕込んでみせるぞ』 男は片ひざを床につき、鎖を左の肩でかつぐような形になり、縄を使い始めた。まず手首を、3巻きずつ十字に縄をかけて緊め、固く縛った。 『あ……ああ!』女は十指を屈伸させ、裸身をよじった。 『ふん……乙な声を出すじゃないか。もう気分を出しているのか』 『痛いんです……手首が……。きつ過ぎるんです。おねがい……こ少し、ゆるめて……』 『ぜいたく言うんじゃねえ!』、男は、首伽を外ずして捨て、美佐子の髪をわしつかみにした。 『よし、立て! 立つんだ、ほら……』 |
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股間縛り |
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女としての値打ちが失くなった時には……処刑をして万事終わりとするからな』 男の眼に一瞬、凄味が走った。美佐子は、戦慄した。恐怖を覚えた。(もし本当に……)そんなことになったら、どうしようと考えて、心か寒くなり、しばし鳥肌が立った。 『さてと……長らくお待たせをばいたしました。拷問をおっばじめますか』、男は、おどけた口調になる。 『今日は、どれにするかね。選ばせてやるから、お好みの責め道具を言ってみな』、と周囲を見回した。 |
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そろばん責め |
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周囲には、木馬、ソロバン責めの台、晒し台、十字架、首伽つき鞭打ち台、などが並んでいる。天井には、吊り責め用の滑車が取りつけてあり、壁には、縄、鎖、鞭、手錠、などがいろいろと掛けてある。 『さあ、どれにする。言ってみろ』、男は片足を伸ばし、美佐子の乳房に押しっけ、揺さぶった。 『さあ、言え。注文通りにしてやる』 美佐子は、顔をそむけた。責め道具の好みなど言えるわけがない。ただ、見つめた。 『そうか……ソロバン責めがお好みか』 『いえ、そんな!』、あわてて首をふり、恐れてみせた。 『もの欲しそうに見ていたじゃねえか。ようし、今日はこれで行こう』 と立ち上がり、拷具へ近寄った。台は、二種類あった。鋸の匁のように尖っているものと、波形にがカーブしているものである。 『さて、どっちにするかな……』、男は二つを見くらべて、鈍い方に手をかけ女をみつめた。 『こっちで行こうか』 『いや!堪忍して下さい!』、美佐子はそんなものに乗った経験はなく、見るだけでも恐ろしい拷具である。 『じやあ、こっちのソフトなやつにするか。特別のお慈悲をもって、今日のところはソフトで勘弁してやる……』 男は、その台を運んできた。 『さあ、乗れ!』と縄尻を吊り上げた. 『いや! ああ、いや! 詳して!』 毎度の事だが美佐子は、そう直ぐには従わない、精いっぱいに坑らってみせ、巧みに悶えてみせ、快楽を味わうのだった。もとより、縛られている女に勝ち目はないのだ。数歩を進まされ、拷具の上に正座をさせられてしまう。ひときわ、縦縄が濡れた。 『あ、ああ…痛い…』眉の根を寄せ身をよじる。男は石を取りに行く、ほぼ同じ大きさのものが3つ重ねてある 『あれ?』男は一番上の物を担ぎ上げてよろめいた…重かったからではなく、軽すぎて拍子抜けしたのである。 『何だ、こりや……インチキじゃねえか』、石ではなく、木だった.木材に灰色のペンキを塗ったものなのだ。 『ハカね……本ものだと思ってたの?』 『当然、そうですよ。この拷問は石抱きとも言うから、石でなきゃ、おかしいよ』、男は木材を美佐子の太腿の上に、そっと降ろした。だが、置くだけでは不安定だった。 『落ちないように、縄をかけて下さい。』 『あ、そうか……なるほどね』、男は指示に従って縄を使った。 男は、芸名を南条功太郎という売れない俳優である。顔も声も体格も、貴船七郎によく似ていた。 映画界が斜陽となる前に、スカウトされて俳優となった。芸歴は長いが、絵局は売り出せなかった。主演が一度、準主演が一度あったが、あとは端役ばかりだった。数年前に会社が倒産し、仕事を失った。美佐子と会ったのは、全くの偶然で、タクシーの中だった。 『あなた……もしかしたら、南条身太郎さんじゃございません?』と美佐子はその時、運転手に声をかけた。 美佐子は、少女の頃から貴船七郎のファンだった。ついでに貴船に似ている不遇な俳優にも興味を持っていた。美佐子のフルネームは、志垣美佐子。孫ほどにも年の差があったが、志垣典吾の後妻になった。正式に結婚する前には愛人であり、その前は、会社で秘書をやっていた。南条功太郎は、富豪の若い未亡人に頼まれ雇われて、久しぶりに演技者に戻ったのである。 『貴船さんに成り切ってくださいね……』 『始める前に、私と一緒に病院へ行っていただきたいの……』 『ただ責められても、つまらないわ。私も別の女を演じることにします。そうねえ…あの女なんか、どうかしら?』 と美佐子は、ある婦人団体の代表者の名を言うのだった。 『拷問にはテーマが必要なんです。その方がドラマティックだし迫力が出るでしょ。丁度の名前がミサコだし…』 と言った。そういうことで、この五日問、大体は巧く行っている.南条が巧演するのは当然のことだったが、美佐子がまた、なかなかに巧かった。 熱心というのか、飢え切っていたのか、とにかくこの地下室にはよほどの執着があるようで、堪能するまで監禁をつづけて欲しいというのだった。 だが、時おりは、つい成り行きで二人とも役柄を離れ、自分に涙ってしまう時がある。 『奥さん。もう一枚、抱いてみるか』 『いや。奥さんなんて言わないでください。私ね、縛られている時は、女ってよばれるのが一番好きなの……』 『そうか……じやあ、女。もう一枚、材木を抱いてみるか』 美佐子は瞳を上げ、南条を軽く睨んだ。 『石でしょ。石のつもりでやってください』 『だからよ、その石をだな、もう一枚、抱かせせてやるってんだ!』 美佐子は、首をふる。 『かんにんしてください。本当に、だめなのよ。久しぶりだから、耐える力が体に戻つてないんです。これ一枚で精一杯……』 志垣典吾が生きていた頃は、三枚を重ねられて、あごにつかえたことがあった。美佐子は約一時間を、耐えて、頑張って、ついには恍惚となつたものであった。今は、一枚だけで、すでに肌が汗ばんでいる。足が痛い。縄目が苦しい。だが、この苦痛は懐かしい。美佐子はソロバン責めが特に好きだった。志垣の死後に、自分の裸身に縄をかけ後ろ手錠をはめて、この台に座ってみたことが何度かあった。だが、むなしい想いしか得られなかった。 『あ、ああ……』 やはり、男に縛られ、男に責められるのは素敵だ。これ以上の悦楽はない、と思う。 『さて、ここで二、三枚、撮っておくか』 南条は、ポラロイドカメラを用意した。 『ええ、撮ってください』 美佐子は、辛そうなポーズと表情をつくり被写体となった。一つ、注文をつけた。 『後ろからも……おねがい』 『そうか……自慢のお尻を撮らきゃいけませんな』 木材の上に並べられたカラー写真を眺め、美佐子は満足した。よく撮れていた。 『よし。今度は鞭打ちだ』 南条は革鞭を手にして、女を見据えた。 『女。覚悟はいいか』 『余り、痛くしないで……おねがい』 男は左手の指で輪をつくり、OKのサインを送って、うなずいた。 『いい加減に白状しろ。売名行為だったと、素直に認めろ!』 『い、いくら責められても……事実に反する白状なんて、できません』 二人は、役柄に戻ってゆく。 ピシリ! と背中に鞭がとぶ。 『ひいい!』 南条は手加減が巧く、適当な痛さだった。 映画で、女を責める悪役をやった時にコツを覚えたのだという。 ピシイ! ピシヅ! と肌が鳴る。 『あうう! ゆ、ゆるして……』 背中を5、6回。乳房を一回、叩いてから鞭は尻に集中された。そこが、熱くなった。 『ひい! ……ひいい!』 美佐子は急速に、痛みに酔ってゆき、恍惚境に入っていった。明らかに幸福を感じた。 しばらく後──。美佐子は台から降ろされ、縄尻を取られ、鱗の濠室へ連行されていった。 『こら、女。婆アみてえな歩き方をするんじゃねえ!』、 『でも……足に、力が入らないんです……』 ベッドへ突き倒され、縦縄だけ解かれた。 男は縄を鼻に近づけ、ちょっと匂いを嗅いで、薄笑いとなった。 『派手に濡らしやがったな。拷問台まで濡れてたぜ。お前って女は、 根っからの縛られ好きなんだな……呆れたよ、全く』 『志垣に仕込まれて、淫らな体につくり変えられてしまったんです……』 『うそつきやがれ。これはやっばり素質の問題だ。というより、逆じゃねえのか?』 『……え?』 『お前がいろいろ教え込んで、年寄りに無理をさせて、寿命を縮めたんじゃねえか?』 『ちがいます。ひどいわ、そんな……』 『まあ、どっちでもいい。とにかく、この体はお年寄りにはもったいねえや。男なら犯さずにはいられねえような、 いい体だよ』 と南条は、誉めた。 短い間、愛撫を受けて、美佐子は一気に侵犯され、声を上げた。美佐子は男を雇う条件の一つとして、パイプカットの手術を受けさせたので、妊娠の心配は無かった。 無論、老人よりは、はるかに佳良だった。 強く、逞しく、荒々しく、犯してもらえるのだ。美佐子はしきりと声を立てた。 『許して……ああ、だめ……貴船さん!』 |
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替え玉作戦 |
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2ヶ月が過ぎた。 南条功太郎は、まだ志垣邸にいる。 美佐子は、まだ地下室の牢に監禁されていた。本当の囚人にされてしまったのである。南条は、初めのうち、雇われる身から、美佐子の情人になろうと企んでいた。そして、終局は夫になろうと考えていた。美佐子を嫌いではなかった。すくなくともその体には惚れていたし何よりも財産に魅力があった。だが、途中で気が変わったのである。 嫌な女だと思い、憎悪を覚えるようになった。雇う条件の一つに、パイプカットをさせるなどは、何とも可愛げがないし、金にものをいわせた冷酷さがあった。抱く時に必ず貴船七郎の名をよぶのも、腹立たしかった。ちくしようめ、と思った。終局、南条は別な形の野心を抱き、その実行に踏み切ったのである。 『……まあ、健康のため、たまにはサンルームで日光浴ぐらいはさせてやるが、生涯、お前さんはおれの囚人だ。ただし、婆さんになっても殺しはしない。死ぬまで飼っておく』 と告げた時、美佐子は、信じなかった。 『そんなこと、できるはずないわ。早く出してちょうだい。悪い冗談はやめなさい!』 『冗談なものか。おれは本気だ。ひと口に言えば、替え玉作戦だよ。お前とそっくりな女をつくるんだ。その女とおれは結婚する』 『そ、そんなこと……』 『できるさ。もう始めている。バーのホステスをしていた女で、お前と似ている奴をみつけた。お前の写真をもとに、今、整形手術を受けているんだ』 『いくら顔を似せても、私を知っている人と話をすれば、すぐにバレるわ!』 『その通り。問題はそこだよ。だからお前を生かしておくんだ。いろいろ教えてもらわなきゃならねえからな』 『教えるもんですか!』 『拷問して聞き出すよ。これからは二人がかりで、本気で責めるぜ……』 と南条は、悪役ふうに凄んだ。 その女、杉下朱実が初めて地下室へ来たとき、美佐子は敗北を感じた。 『あら、この女がそうなの…。あんた色情狂で変態なんだってね。ほんと……凄いじやないの、この地下室』 と責め道具を見回す朱実は、たしかによく似ていた。まだ瓜ふたつというところまでは行っていないが、何度か整形を加えればそっくりや顔になりそうな女であった。 |
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南条は後ろ手錠をかけようとしたが、朱実が拘束法に注文をつけた。 『ねえ、縄で縛りましようよ。この女が悦ぶところを私も見たいしさ……第一、思い切り痛い思いをさせなきゃ、素直に言わないよ』 『じゃ、そうするか』、美佐子は、まさに必死の抵抗をした。 『いやあ!いやよう!助けてえ!』だが、相手は二人だ。後ろ手に力まかせにギリギリと縛られてしまった。 『まだ暴れる気? 足も縛られたいの!?』、美佐子は逆海老に縛られてしまい、口惜し涙を流した。 『あらこの女泣いてるわ。これ税んでるの?』 『こいつは泣き上手でね、いつでも、器用に泣けるんだ』、朱実が南条よりもすぐれた責め手であることは、それから間もなく判った。美佐子は逆さ吊りにされ、双の乳首を責められたのである。分銅責めだった。 『おれは結局、イミテーションと縁が深い男らしいや……』、南条は、そうつぶやき、苦笑をうかべた。 『ほら……もう一つ』 朱実は分銅を増やしてから、タバコを咥え火をつけて、うまそうに紫煙を吐いた。 |
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----------(終)---------- |