エネマロマネスク
蜜月の罠












秘密クラブの女


 守田降介は平凡なサラリーマンだ。勿論、会員制クラブに行く余裕などない。

 そんな彼が、“クラブ銀色の館”にやってきたのは、務め先の社長、永野につき含わされたからだった。

 永野の両脇には、体毛まで剃り上げた素っ裸の女がふたり、座っている。

 ふたり共、厳しく革の拘束具で上半身を縛られて、猿轡を噛まされていた。

 守田の左隣りの女も、やはり拘束され、猿轡を噛まされていたが、膝と膝は、大きく開いて、無毛の秘唇を晒け出していた。守田は永野に習って、その女の股間に、指を持っていった。

 女は膝を閉じようとはしなかった。

「守田君、始まるようだ。おもしろいショーだから、きっと気に入るよ」

 永野の声に、中央のステージに目をやる。

 スポットライトに、看護婦の格好をした女が浮び上がっていた。彼女だけが衣類を身に着けていて、それがかえって、奇妙に見えた。なかなかの美人だったが、守田には見覚えがあった。

(梨絵!梨絵じゃないか!!)

 正木梨絵。5歳下だから、24歳になっているはずだ。幼い頃に隣りに越してきて、高校ぐらいまで、住んでいた娘だった。

(どうして、梨絵がこんなところに!?)

 美しくて、可愛い娘だった。守田の初恋の女といっても良かった。

「社長、何が始まるんです?」

「ショーだよ。特別プログラムのね。まあ、見ていたまえ」

 永野は瞳を輝やかせて言った。

 やがて、ステージの上に、パジャマ姿の男が三人現われ、看護婦、詰り、正木梨絵を取り囲んだ。男達は患者らしく、頭に包帯を巻いたり、片方の腕を吊ったりしていた。

 ステージの中央には電話ボックスのガラスの箱があり、中には、やはりガラス製の透明な和式便器があった。

「よくも俺達に、恥をかかせてくれたな。看護婦さん」

「そうだ、浣腸や導尿なんて、人権無視もいいとこだぜ」

「今夜はお返しをしてやろうって、決めたんだよ。フフッ、覚悟しな」




p205.jpg

男達の一人が梨絵を後ろから羽交い締めにし、他の二人が彼女の白衣を引き裂いていった。

(梨絵!!)

幼な馴みの、それも好きだった娘が、目の前で裸に剥かれてゆく。

梨絵は見る問にナース・キャップだけの素っ裸にされてしまった。体毛はきれいに剃り取られ、肉の合わせ目が露出していた。男達が縄束を取り出し、彼女の上半身を厳しく高手小手に縛り上げた。

「アア、やめて下さい。私はお仕事でしただけなんです。ヒィーッ!!」

必死で哀願する梨絵だが、平手打ちを食らって、倒れ込んでしまった。

「ひどい……!」

思わず咳いた守田に、永野が言った。

「どうだい守田君。」

「凄い迫力だろう。本物なんだよ」

「は……?」

「本物のマゾ女だと言ってるんだよ。何でも好きでこの世界に入ってきたそうだ」




(梨絵がマゾ!!)

 梨絵は明るくて、素直で、頭のいい娘だった。とてもマゾ女になるようには見えなかった。

 その梨絵は今、ステージの上で、片足を天井に吊り上げられ、もう一方の足首にも、別の縄が巻きつけられ、床の金具に通され、縄留めされた。彼女の脚は縦に180度に開かれてしまった。客席に、彼女の開かれた股間が向けられ、照明が、その部分を狙い撃ちしていた。

「君は女の肛門を見たことがあるかね?」 永野が訊いた。

「……いいえ」

 肛門を見せてくれる女などいなかった。なのに今、初恋の女の肛門を、目の当りにしている。セピア色というより、淡いピンク色だ。多くの視線を意識してか、梨絵は肛門の嚢を、ヒクヒクと収縮させていた。

 そのすぐ上に無毛の肉襞があった。ピンク色の二枚の粘膜が挾み込まれているのが、はっきりと確認できた。

「看護婦さん。たっぷりと浣腸してやるぜ。思い切り苦しんで、俺達がどんなに辛い思いをしたか、よーく味わってもらおう」

 天井から巨大な浣腸器が降りてきた。一升瓶よりも、もっも太くて長い。目盛りは、3000ccまであった。

 既に中にはグリセリンが満されている。男達は二人掛りで、太い先端を、梨絵の肛門に挿入していった。

「ンアウーンッ!!」

 梨絵が、更に、背骨を弓なりにしならせて呻く。長い髪が床を掃き、ナース・キャップが落ちた。

「社長、ほんとうにあんなにたくさん、腸管内に納るものなんですか!?」

 守田には考えられなかった。

「入ってしまうんだよ。大したマゾ女だよ、まったく……」

「クアー! 助けてえーっ!!」

 男のひとりが彼女の躰を支え、もうひとりが、巨大な外筒を脇に抱えて固定し、もうひとりが、躰全体を使って、内筒を押し込んでいった。

「ウオーッ! ングェーッ!!」

 内筒が押し込まれてゆくにつれて、梨絵の白い下腹が、異様に脹らんでいった。

「だ、大丈夫なんでしょうか。あんなひどいことをして……」

「普通なら、大丈夫じゃないだろうな。少なくとも、気を失ってしまうだろう。悪くすりゃ、腸管破裂だ。だが、梨絵は、大丈夫だよ。何しろ、先まれついてのマゾ女だからね」



 永野が彼女の名前を知っているということに、守田は胸騒ぎに襲われた。

 その後、3000ccのグリセリンの大量挿入を受けた梨絵は、直径5pの太いアヌス栓を抉り込まれ、30分もの間、苛烈な便意に苦悶した揚句、ガラスの便器に、排便させられた。

 最後に、彼女は上半身を縛られたまま、客席に挨拶にまわってきた。永野のところに来た時に、守田とも顔が合ったが、彼女は何も覚えていないようだった。

 愛奴のいる部屋数日後、守田は社長室に呼ばれた。

「君、今夜は空いているか? 実は、他の者には頼めないことなんでな。それに、君も、梨絵が気に入ったらしいからな。はっきり言う。アレは私のこれなんだよ」

 永野が右手の小指を立てて見せた。

 守田は動揺を胸の内に押し込めていた。

「今夜、私が行くことになっていたんだが、急用ができてね。そこで君に梨絵のところへ行ってもらいたい」

「なぜ、私が……」

「ちょっと手伝ってもらいたいんだよ。詰り、梨絵に、晩飯を食べさせてやってほしいんだ」

「はあ?」

「詰り、何だな。彼女は現在、自分で食事を摂ることができん状態って訳だ」

 遠まわしな言い方だったが、守田にはすぐに理解った。

「……縛られているんですね。梨絵…さん」

 危く、呼び捨てにしそうになって、守田は泡を食った。

「まあ、そういうことだ。すまんが、これで寿司でも買って、持っていってやってくれんか。それと、酒だ。梨絵はスコッチが好きなんだ。飲み方は、彼女が君に言う方法で飲ませてやってくれ」

「……はい」

 退社後、彼は早速、寿司とスコッチを買って、港区の高級マンションに向った。逢えるのは嬉しいが、よりによって、永野の女になっているとは。

 マンションに着いた守田は、何度も戸惑った後、部屋のドアに、鍵を差し込んだ。

「御主人様でございますか?」

ドアを開けると、奥から、梨絵の声が聞こえた。

「いえ、社長に頼まれて、御食事を届けに参りました」

 守田は名乗らないことにした。梨絵の方は忘れてしまっているのだから、名を告げて恥をかかせるのは、残酷だと思った。

「アアッ!」

 梨絵は奥の部屋で電気椅子みたいなものに、尻を真上に向けて拘束されていた。もちろん素っ裸だ。

 両膝は左右の肘掛けに、革製のベルトで固定されているために股間は露になっていた。剥き出しの秘唇からは、透明なチューブが垂れ下っていて、そのもう一方の端は、彼女の右鼻の穴に、深く挿入されているようだ。

 どうやら導尿管が、尿道口と鼻の穴、詰り喉を連いでいるらしかった。その上、肛門にも、アヌス栓が埋めこまれ、ピンク色の襞は、一杯に引き伸されていた。

「申し訳ございません! こんな恥ずかしいところをお見せしてしまって……」

白い肌が桜色に染まっていた。



「お美しいですね」

 あれからどんな人生を、歩んできたのかは、守田の知るところではないが、美しく成長したものだ。

 秘密クラブなどで働き、妾をしているというのに、不幸の陰など、まったく感じられない。

"梨絵は、生まれついてのマゾ女なんだよ。好んでこの吹界に入ってきたんだ"

 永野の言葉が、納得できるような気がした。

「私のような女、美しくなどありませんわ。こんな恥知らずな生き方をしているんですもの……」

 守田は梨絵の切れ長で涼し気な瞳を見つめたが、やはり彼女は守田のことを覚えてはいないようだった。

「寿司を買ってきたんですが、食べますか?」

 守田は彼女の正面に椅子を持ってきて座った。目の前に、梨絵の剥き出しの股間があった。

 慌てて膝の上の寿司へ視線を逃したが、気になって仕方がなかった。

「いいんですのよ」

「……は?」

「見て下さって……構いませんわ。男の方なら、見たくて当然ですもの……。それに、私、見られることに……馴れてしまっていますわ」

 だからと言づて、守田は正面から堂々と、彼女の股問を見る勇気はなかった。時折、チラリと視線を走らせるのが精一杯だ。

「……食べさせて下さいますか? 私、もう二日も、何も食べていないんです」

 彼女は透明チューブを鼻の穴に突っ込まれているせいか、鼻声になっていた。自分の小水の処理を、彼女自身が行っているのだ。

「二日もずっと、ここに縛り付けられたままなんですか?」

「はい」

 守田は指で寿司を摘んで、梨絵の口元へ運んだ。美しい形の唇が開かれ、寿司を受け入れ、白い歯を覗かせながら噛んだ。

 無理な態勢ながら、彼女はそれを胃袋に納めると、嬉しそうに微笑した。

「アアッ!」

 梨絵が眉と眉の間に深い溝を刻んだので、守田は掌を止めた。チューブの中を、やや着色された液体が彼女の鼻の穴に流れ込んでいった。彼女はゴクリと喉を鳴らして飲み干した。それから、2つ目の寿司を食べた。

 余程の空腹だったのだろう。梨絵は二人前の折詰めを、全部食べてしまった。

(そう言えば、梨絵は小さい頃から、食いしん坊だったっけ)

 そんなことを思い出して、守田の唇が少しほころんだ。

「どうかしました?」

「お笑いになったような気がしたものですから……」

「いいえ。あ、そうそう、社長からスコッチを持って行うように言われたんですが……」

 守田はオールド・パーの瓶を取り出して見せた。

「まあ……!」

 梨絵が、また、いっそう激しく差恥し、白い肌を燃え上らせた。

「御主人様はウイスキーを、どのように飲ませろとおっしゃったのですか?」

「梨絵さんに、訊けと……」

「アアン!御主人様ったら……!」

「どうしたんです?」

「……困りましたわ。私……!」

「僕が作りますよ。水割りでも、ハイボールでも。それとも、オン・ザ・ロック?」




 守田は戸棚から、グラスを持ってきた。

「違うんです。その……御主人様はいつも、私にお酒を飲ませる時には……、アア、恥ずかしい。でも、言ってしまいますわ」

 梨絵は床に垂れていた長い髪を、首を振ってそよがせ、溜め息をついた。

「私、お酒は……お尻の穴から飲まなければならないんです」

「えっ!?」

思わず守田は梨絵の肛門に視線を向けた。そこは恥ずかしそうに太いアヌス栓をキュッキュッと締めつけてた。




秘肛が燃える


「ガラス製浣腸器を使って、その…お尻の穴から注入するんです」

 激しい羞恥に喘ぐ梨絵を、守田は抱き締めてやりたかった。羞恥する彼女を、美しいと思った。

(俺はサディストでもないのに。きっと、梨絵が美しいからだ。美しい女には、羞恥が似合うのかも知れない)

「浣腸器は?」

「食器棚の中に……」

 窓際に、ヨーロッパ調の立派な食器棚があった。中にきちんと整理されているのは、責め具の数々だった。

 浣腸器も50cc用のものから、大きいものは500cc用の特大まで揃っていたし、バイブや張り形なども、取り揃えられていた。

 守田には使い方の理解らない医療器具も、多数あった。

「何ccぐらいのを使えばいいんです?」

「五〇〇cc用だったら、ウイスキー一本分ぐらいは入ります。それでひと思いに、入れて下さい」

「ストレートで、一瓶注入れてしまうんですか」

「はい。そうして下さい」

「大丈夫ですか。そんなことをして……。男でも、ウイスキー一本を一気に飲んだりしたら、
ブッ倒れますよ。しかも肛門から注入するなんて!」


「……大丈夫なんです。私はいつもそうして飲まされています。日本酒なら一升、ビールなら五本。いつでも一気に注入されてしまうんです」

「……!!」

 アルコールに強くない守田には、信じられなかった。

 梨絵が言ったように、500ccの浣腸器の内筒を、外筒から外れそうになるまで引くと、ウイスキーを、全量吸い上げられた。

「アヌス栓を抜き取らなきゃ……」

「ええ……お願いします。レバーを引き起こして、反対側に倒せば抜けるんです」

 言われた通りに、アヌス栓の底の部分のレバーを操作すると、梨絵はそれをゆっくりと押し出してきた。守田が底の部分を持って、抜き取ると、梨絵の肛門は、直径2pぐらいの大きさに、開いたままになっていた。

「お尻の穴は…閉じられないんですか!?」

 梨絵が恥ずかしがるのが分っていながら、守田はついつい質問してしまった。

「アアッ! 私のお尻の穴、もうぴったりと閉じられないんです。アヌス栓は、ウンチをする時以外、外してもらえないんです。ずうっと挿入されたままですから……」

 意識的に肛門括約筋に力を加えれば、閉じるらしかったが、力を抜くと、また、ポッカリと開いてしまう。

「可哀相に……」



「でも、私、こんなふうにお尻の穴を虐められるの好きなんです。高校生の頃から、自分でお尻の穴に、色んなものを入れて遊んでいたんです」

 高校時代と言えば、まだ、守田の家の隣りに住んでいた頃であった。

 あの頃の梨絵が、既に、異様な快感に目覚めていたことを知って、彼は衝撃を受けた。

「それじゃ、ウイスキーを入れましょうか」

 守田は巨大なガラス製浣腸器を、両手で持ち上げた。ビール瓶の太さほどもあり、ズシリと重い。

「お願いします」

 梨絵は両の瞼を、軽く閉じ合わせた。

「じゃ、入れます」

 守田は浣腸器を、両手で捧げ上げて、先端を彼女のポッカリと開いた肛門の中心に、押し沈めた。

「ハ……ン…アアアーン!」

内筒をゆっくり押し込んでくと、梨絵は喘ぎを押し殺そうとしたが直ぐに切な気な喘ぎを吹き出させてしまった。



「染みないんですか?」

「もう馴れてるんです。始めはおビールでも水割にして入れてもらっていたのですが、段々強い刺激がほしくなって…とうとうウイスキーやウオッカをストレートでお尻の穴から飲める女になってしまいましたわ」

ウイスキーを全量注入し終えて浣腸器を引き抜くと、梨絵の肛門はキュッと引き締められた。

「アヌス栓を……入れておいて下さいませ。でないと、お酒を漏らしてしまいます」

「ああ、そうでしたね」





 守田が太いアヌス栓を取り上げ、挿入してやると、梨絵はまたセクシーな声を上げ、椅子に拘束された身を、振るようにして身悶えた。

 アヌス栓を挿入する時まで身悶える梨絵を見ている内に守田は彼女とSEXをしている様な錯覚に陥った。

「ハァ……ムムム……」

 酔いがまわってきたのだろうか、梨絵の肌が桜色に輝き、瞳が潤み始めてきた。守田の視線が、股間の方に向くと、彼女は余計に身をくねらせ、喘いだ。

(梨絵は見られると感じるんだ。だから、あんな秘密クラブで淫らなショーをやってるんだ)

 守田の股間は先程から痛いぐらいに充血していた。できることなら、梨絵を椅子ごとその場に押し倒し、貫いてやりたかった。だが、彼はあの永野の会社の一社員であり、梨絵はその永野の所有物なのだ。

「僕、そろそろ帰らなくちゃ……」

 梨絵の誘うような、媚びるような視線を背に、守田はマンションを後にした。



禁断の魔味


 次の日曜日、守田は朝から手の中の梨絵のマンションの鍵を握りしめて、悩み続けていた。もちろん永野から預かった分は返したが、その前に鍵屋へ行って、コピーを作らせたのだ。

(社長は火曜日の夜まで大阪だ。構わんさ)

 それにもし、永野にバレたとしても、その時は、梨絵を連れて逃げればいい。

 正午を少し過ぎた頃、守田は鍵と写真を持って、梨絵の部屋の前に立っていた。インターフォンを押すと、返事があった。縛られてはいないようだ。

「僕です。先日、お伺いしました」

 すると、彼女はドアを開け、部屋に通してくれた。昼食の支度をしていたらしく、白いスカート、白いセーターの上から、胸当て付きのエプロンを着けていた。まるで、夫の帰りを待っている新妻みたいに見えた。

「御主人様が、また、何か私に……」

「いいえ、そういう訳じゃ……。ただ、あなたにお逢いしたくて……」

 梨絵は困惑したような表情を見せた。

「御迷惑だってことは分っているんです。でも、どうしてもお逢いしたかったんです」



 守田はポケットから、昔の写真を取り出し、梨絵の前に差し出した。だが、彼女は一瞬、写真に視線を落しただけで、すぐに顔をそ向け、泣き出した。

「分っていたわ、お兄ちゃんだってことは……。"銀色の館"で初めて逢った時から分っていたわ。でも、お兄ちゃんが気づいていないんなら、黙っていようと思ったの」

「なぜ?」

「だって、恥ずかしいもの。こんな生き方をしているんですもの」

「梨絵!」

 守田は梨絵の肩を、抱き寄せた。長年捜し求めてきた恋人に再会したような気分だった。

「昔から、梨絵が好きだったんだよ」

 守田は、彼女を床に押し倒した。

「私だって好きだったわ。お兄ちゃんのこと…小さい頃は、お兄ちゃんのお嫁さんになるんだって決めていたわ」

「だったら、なぜ……俺、一度デートに誘ったぞ」

「ええ。海を見に行こうって、誘ってくれたわ。でも、あの時、私はもう、自分がマゾだって分っていたもの。お兄ちゃんに嫌われるって思ったの。嫌われるくらいなら、黙ってさよならしようって」

「バカだな。梨絵だったら、俺、マゾだって何だって構わないよ」

「アァ、お兄ちゃん!」

 守田は梨絵のスカートを捲り上げた。パンティーは穿いていなかった。

 飾り毛のない、ツルリとした、滑らかな肉の合わせ目だけがあった。守田の指は、その肉の合わせ目の中の、小さな突起を求めて彷徨った。

「アン!ハ…ハアン!」

 小さな突起に指が触れると、梨絵はビクンと、まるで電気に打たれたように反応した。

「待って、お兄ちゃん。可愛いがってくれるなら、先に縛って。私……マゾだもの」

「よし、梨絵が縛ってほしいのなら縛ってやる。梨絵がマゾなら、俺はサドになってやる」

 守田は乱暴に彼女の着ていたものを、引き剥いていった。

「もっと、きつく……。息が止るほどきつく縛つて」

 守田は人を縛るのは初めてだったが、梨絵に教えてもらって、何とか胡座海老縛りを完成した。

「梨絵は恥ずかしいことをされたり、見られたりするのが、大好きなんだろう」

 彼はうつ伏せになっていた彼女の躯を、ゴロリと仰向けに転がした。

「アア、そうよ。私、高校時代は、お兄ちゃんに見られているところを想像して、いけないことばかりしていたわ」

「どんなことをしていたんだい?」

「……お尻の穴に指を入れたり……自分でお浣腸したり……」

「それなら、俺も梨絵の肛門を、虐めてやろうかな」

「うん、嬉しい。でも、昨夜、お浣腸されちゃって、お腹の中、何も残っていないわ」

「全部きれいに出してしまうなんて、できるのか?」

「ええ、お浣腸した後、洗腸するの。ホースをお尻の穴の深いところまで入れて、きれいになるまで洗うの」

「なんで、そんなことするんだい?」

「……アア、恥ずかしいわ。お尻の穴で……セックスするためなの」

「えっ!!」

 守田にはアナル・セックスの知識など、ほとんどなかった。

「そうか、肛門でもするのか」



「じゃ……後で……」

"して"という言葉を、梨絵は声に出さずに、唇だけをそれを発音する時の形にして、守田に伝えた。

尻の下にクッションを押し込むと梨絵の肛門は真上を向いた。埋め込まれてたアヌス栓を守田は引き抜いた。

 やはり、梨絵の肛門は、ポッカリと口を開けたままであった。

「きれいなんだな。梨絵の肛門の中は……」

 そのポッカリと開いた穴から、中が覗けるのだが、彼女の肛門部は、彼女の女の部分の粘膜と同じく、淡いピンク色だった。

「嬉しい私、昔からお兄ちゃんにこんなふうに、お尻の穴を見られたい虐められたいって思っていたんだもの」

 梨絵は白い肌を、羞恥の色に染め上げながらも、甘く喘ぐように言った。

「ようし、それじゃ、きれいな梨絵のお尻の穴を、たっぷり虐めてやることにしよう」

 守田はベッドに掛けてあったシーツを引き寄せると、幅3pぐらいに、引き裂いた。

「どうするの?」

「フフッ、このシーツを入れてやるのさ。梨絵のお尻の穴に……」

「まあ…!」

 梨絵は驚きながらも、守田の考えついた責めに、興味を覚えたようだった。

「アァン、お兄ちゃん」

 彼女の肛門の穴に、守田は細く裂いたシーツの端を、人差し指で押し込んでいった。

 その瞬間、彼の指は、梨絵の肛門括約筋に、キユッと軽く締めつけられた。

「ハア…ンンッ、ムムハーンッ!」

 もし、梨絵とは再会しなければ、一生涯、女の肛門などという秘部を、こんなにも正面から見ることなどなかっただろうし、もちろん、肛門を虐める楽しみにも、気づかなかっただろう。

「どんな気分だい、梨絵。気持ちいいか」

 2mの長さのシーツのほとんどを押し込んでしまってから、守田が訊いた。

 彼女の肛門からは、残り10pばかりが垂れている。



白い牝獣が誘う


「……私、お尻の穴を虐められると、駄目なの。どうしようもなく、淫らな気分になってしまって…ハア……!」

 守田は彼女の肛門から垂れているシーツの端に、もう一本シーツを引き裂いて作った布を結んだ。

「ウッ、ングウーッ!!」

 結び目の部分を、抉るようにしてこじ入れてやると、梨絵は一層セクシーな喘ぎを洩らした。

「幾らでも入るぞ。梨絵の肛門の中は、どうなっているんだい?」

 そんなことを言いながら、守田は三本目のシーツを連いだ。

「アアン、そんなこと言わないで。ウンチが溜っていないから、たくさん入ってしまうんだから……」

「フフッ、もっと入れてやるよ」

 三本目を押し込んでから、守田は結び目が梨絵に有効なことを知って、四本目は太く裂き、途中に結び目を10ばかり作った。

「ハァーッ、ムムムハァーン!!」

 その結び目を、次々と押し込むと、彼女は更に激しく喘ぎ、縄を軋ませて、身をくねらせた。

「ンムィー、ヒィーツ!!」

結び目付きの五本を、強引に押し込み始めると、流石の梨絵も、悲鳴を洩らし始めた。



「痛いのかい?」

「ンーッ、少し……でも、まだ、大丈夫」

 敏感な粘膜が、布に長い時問擦り上げられ続けているために、ヒリヒリと痛むらしい。

 そう言えば、時々覗く肛門内部の粘膜は、先程よりも、赤味がかってきているようだった。

「これ以上は、無理みたいだな」

 彼女の肛門は、シーツで一杯になってしまっているらしかった。

「さて、今度はこのシーツを引っ張っり出してやらなければ……」

 守田は梨絵の肛門から食み出しているシーツの端を掴んで、一メートルばかり引き擦り出し
た。

「ンヒィアーツ!!」

 肛門は、内側から大きく捲れ上り、ピンク色の粘膜を、小さな花のような形に露出させた。

「ちょっと、外へ出ようか」

「えっ!!」

「おもしろいことを思いついたんだ。さあ、出よう」

 と、守田は梨絵の胡座海老縛りの縄を解いてしまうと、彼女に一番ミニのスカートを穿くよ
うに言った。

「どうするの? お兄ちゃん」

「決ってるじゃないか。梨絵の肛門を、もっと虐めてやるんだよ。来いよ」

 と、守田は超ミニスカートにセーター姿の梨絵の手を取って、部屋を出た。彼女の肛門から
垂れたシーツが、スカートの裾から覗いたままエレベーターに連れ込んだ。

「まだ、押さないでいいんだよ」

「……?」

 一階のボタンを押そうとするのを制して、片方だけ靴を脱いだ。その靴に、梨絵の肛門から
垂れているシーツをひと巻きして結ぶと、再び、靴に足を入れた。

 彼が足を下した瞬間、梨絵は慌ててその場にしゃがみ込んだ。そうしないと、肛門からシー
ツが引き擦り出されてしまう。

「おもしろい責めだろう。梨絵、立ち上って、一階のボタンを押してくれ」

「アアン、お兄ちゃん。本物のサディストみたいよ」

「ありがとう。フフフッ」

 梨絵がゆっくりと、立ち上っていった。

「アウッ、ンツ、アアン!」

 足を肩幅ぐらいに開いて、奇妙な格好で腰を上げてゆく。守田がしゃがみ込んで、彼女のス
カートを捲り上げると、

 尻の肉の谷問にある肛門から、シーツが引き擦り出されてくるのが見えた。

「ハウッ、ムゥーン!」

 彼女の腰が伸び切ろうとした瞬間、守田は立ち上って、彼女の動きに合わせて、シーツが結
びつけられている方の足を、少し持ち上げた。そして、彼女の腰が伸び切った時に、思い切り、
その足を踏み下したのだ。






 一気に一〇センチばかりのシーツ
が、乱暴に引き擦り出された。激し
い苦痛に身を括る梨絵に、守田はサ
ディストらしく言った。

「さあ、一階のボタンを押せ」

 命令と同時に、彼はすぐ脱げるよ
うに、靴から踵を少し浮かせておい
た。

「クローズを押してくれ」

「はい」

 ドアがゆっくりと閉り始めた。彼
女はひと責め終わったと安心したら
しく、溜め息をついた。



 だが、ドアがピッタリと閉じ合わさる寸前に、守田は右足を大きく前に振り出したのだ。

「アアッ!」





 シーツの端が結ばれていた靴は、ドアのほんの少しの隙間を通り抜けて、フロアーに転がっ
たのだった。梨絵が悲鳴を上げるのと、ドアが完全に閉るのが同時だった。

 慌ててオープンのボタンを押したが、もう手遅れだった。シーツの端が結ばれた靴を残した
まま、エレベーターは、ゆっくりと下降し始めた。

 彼女の部屋は一〇階なので、一階に着くまでには、彼女の肛門のシーツは、全部引き擦り出
されてしまうはずだ。

「ンイーッ、助けて、お兄ちゃん。お尻の穴が焼けちゃうーっ!!」

 エレベーターの中に、梨絵の絶叫が響き渡った。守田はそんな彼女を、強く抱き締めた。

 九階、八階と降りてゆくにつれ、彼女の肛門から、シーツが飛び出ていった。

 スカートの尻の方が、捲れ上ってしまっていたが、彼女はそれを手で押えようともせず、肛
門の苦痛と闘い続けた。

「ングヒィヨッ、キィーッ!!」

 特に、結び目が飛び出してくる時には、歯を食い縛って耐えていた。

 五階で彼女の肛門から引き擦り出されているシーツは終わり、最後の部分が、エレベーター
のドアの隙間に吸い込まれていった。

「ンムウーッ!」

 過激な肛門責めが終わって、梨絵は床に崩れ落ちた。守田は彼女のスカートを捲り上げ、尻
の谷間を割り広げ、肛門を覗き込んだ。彼女の肛門は、完全に捲れ上り、痛々しく炎症を起し
ていた。

「さあ、部屋に戻ろう。靴がなければ帰れないからな。フフフッ」

 部屋に戻ると、守田と梨絵はシャワーを浴びた。守田は自分の腕の中にある白くしなやかな
女体に、夢中になった。

"お兄ちゃん"と甘えてくれる梨絵が、可愛いくてならなかった。可愛いく、美しいほど虐めて
やりたいというサディズムも、理解できるようになってきていた。

 バス・ルームから出てくると、守田は濡れた躯のままの梨絵を、再び、厳しい高手小手に縛
り上げた。彼女自身の希望であった。

「お尻の穴で……してくれるんでしょう?」

 梨絵はベッドに両肩と左の頬を押しつけ、膝を立てて大きく開いた。当然、肛門丸出しだ。
先程、あれほど激しく虐められたにも拘らず、彼女の肛門は、もう元の状態を取り戻していた
但し、守田を誘うように、中心がポッカリと開いている。

「ああ、もちろん肛門でしてやるとも。このまま入れればいいんだな」

 守田も素っ裸になった。

「その前に……お尻の穴に、ワセリンを塗って。戸棚にあるわ」

 ワセリンの小瓶を持ってくると、彼はそれを彼女の肛門内部にまで、たっぷりと塗り付けた。
彼女の肛門は、濡れたように美しく輝いた。

「これでいいな。さあ、入れるぞ」

「ええ……」

 その中心に、守田は自分の硬直を押し当てると、軽く腰をくり出した。

「ハ……ム…ウーッ!」

 抵抗感はほとんどなかった。

「おう、梨絵!!」

 だが、それを根元まで挿入してしまうと、彼女の括約筋は、驚くほどの収縮力で、グイグイ
締めつけてきた。

 守田は一〇人近い女と関係を持ったが、これほど締めつけられたのは、初めてだ。

「凄い力だな。食い千切られそうだよ」

「ハァ!……訓練されているんだもの。私のお尻の穴は。ムムクゥーッ」

 梨絵は、早くも、切な気な喘ぎ声を洩らし始めていた。






「訓練?」

「ええ、座るところに、大きな張り型が取り付けられた椅子に縛り付けられたの。

 精一杯肛門を引き締めて。その張り型を締めつけていないと、電気が流れる仕掛なの。一日
に何度も、気を失ってしまったわ」

「ひどいことをされたんだな!」

「ええ。でも、私……お尻の穴を虐められるのは、嫌いじゃないから、耐えられたんだわ」

「でも……梨絵の肛門は、開いたままじゃないか。なのにどうして、こんなに収縮力が強いん
だ?」

「お尻の穴が開いているのは、いつも太いアヌス栓を挿入されているからなの。でも、締めつ
ける力はまた別なの。アハァーンッ!」

 守田の硬直に子宮を裏側から擦り上げられると、梨絵は狂ったように喘ぎ、悶え続けた。守
田が驚くほど淫らに大胆に、突き上げた尻を、振り立てるようにして、歓喜にのた打つのだ。

「梨…梨絵、もう、駄目だア!」

 梨絵の訓練された肛門括約筋には、長い時間耐えることはできなかった。守田が腰を突き出
す時には力を抜き、引く時には、強烈に締め上げるので、精を絞り尽されるようにして、果て
てしまったのだ。

「また、来てもいいかな?」

 守田が帰り支度をしながら訊いた。

「ええ、待ってるわ。お兄ちゃんが虐めに来てくれるのを……」

 梨絵は手首に残った赤い縄跡を、指でなぞりながら、淋し気な瞳を向けた。衣服を着け終わ
った守田は、もう一度、裸のままの彼女を、思い切り抱き締めた。

 視姦に燃えて社長の永野が、珍しく守田が主任をしている経理部にやってきた。

「この前は面倒をかけたね。守田君」

「は?!」

 守田は一瞬、日曜日に、自分が勝手に梨絵と逢ったことが、バレたのだろうかと冷汗を流し
たが、

そうでもないらしかった。

「家内の奴、礼を言っとったよ。うまい寿司だったって……」

「ああ、そうですか、どうも……」

 他の社員の手前、永野は梨絵を、家内と言っているのだ。

「さあて、たまには早く帰って、家内の手料理でも食ってやるか」

 その日、梨絵に逢いに行こうと思っていただけに、守田は、沈み込んだ。会夜、梨絵がこの
永野にいいように責められ、犯されるのかと思うと、たまらなく哀しく、口惜しかった。

「どうだい、君も来んか。家内の奴、君に御馳走したいと言ってるんだよ」

「は…はい」

「じゃ、決りだ。六時に駐車場で待っていてくれ」

「……はい」

 ついて行かざるを得なかった。サラリーマンである以上、社長命令には従うしかない。

 永野の運転手付きのベンツが滑り込んだのは、案の定、梨絵のマンションだった。






「迷惑だろうが、ま、年寄の遊びにつき合って
くれたまえ。私のような者には、常に新しい刺
激が必要なんだよ。君はただ、ソファーに座っ
て、酒でも飲みながら、見物していてくれれば
いいんだ」

 永野は一〇階へのエレベーターの中で、言っ
た。

「お待ち致しておりました。御主……!」

 迎えに出てきた梨絵は、永野の後ろに立って
いる守田を認めると、一瞬、言葉を失ったよう
だった。

「驚いたか。すまん、すまん。この前、お前に
寿司を持ってきてくれた守田君。覚えているだ
ろう」

「は…はい! 先日は、その……失礼致しまし
た」

 梨絵が深々と頭を下げた。

「いいえ……」

「恥ずかしくはあるまい。お前は"銀色の館"と
この部屋で、もう二度も守田君に肛門やオ○○
○を見られたんだからな。さあ、梨絵、水割り
の支度をしてやってくれ。フフッ、素っ裸でな」





 永野が命令した。

 守田が奥のソファーに座ると、梨絵は素っ裸になって、水割りの支度をして持ってきた。

「梨絵、今日はプレゼントを持ってきてやったぞ。肛門を丸出しにして見せろ」

 永野が守田の横に座った。守田にも、梨絵の肛門を見せてやろうというのだ。

「アア、御主人様……」

 激しく羞恥する梨絵。

「どうした、梨絵。お前らしくもないな、今更、恥ずかしがるなんて……。さては、守田君が、
気に入ったのかな」

 悪趣味な永野だった。

「いいえ。でも、御主人様以外の方にお見せするのは、やっぱり、恥ずかしいですわ」

「なおさらおもしろい。梨絵、命令だ。このテーブルの上で、四ツン這いになるんだ。守田君
にもよく見えるだろう」

 永野は守田が水割りを飲んでいる目の前のテーブルを、顎で示した。梨絵は仕方なく、その
上に乗ると、守田や永野の方に尻を向けて、四ツン這いになった。

「バカ者。膝をもっと開かなきゃ、肛門がよく見えないではないか!」

「ヒイーツ!」

 水蜜桃のような尻に、永野の平手打ちが飛ぶ。梨絵の肌は白いだけに、赤い手形は鮮やかな
コントラストで浮かび上った。

「アアッ、恥ずかしいですわ」

 梨絵にしてみれば、守田の前で、永野に責められることが、たまらなく辛いのだろう。

 梨絵は膝を大きく開くと、男達の前に、肛門を晒け出した。

「アヌス栓はもう要らん」

「ンアンッ!」

 永野がレバーを引き起して、乱暴に引き抜く。

「プレゼントとは、こいつだ」

 彼はポケットから取り出したものを、梨絵の大きく開かれた膝と膝の間に置いた。

「……まあ!」

 アヌス栓だったが、明らかに、太さが違っていた。直径五・五センチはありそうだ。

「アア、また、私のお尻の穴を、大きくされるお積りなんですね」

 梨絵が開いている肛門を、キュッと引き締めた。守田の股間が、疼き始める。

「入れてやろう。肛門を開くんだ」

「はい!」

 また、ポッカリと梨絵の肛門が開いた。永野は新しいアヌス栓に、ワセリンをたっぷりと塗
り付けると、先端を、梨絵の肛門に当てがった。

「力を抜いているんだぞ、梨絵」

「はい!」

 永野は左手で、大工道具のノミを持つ時のように、アヌス栓を彼女の肛門に構えると、右手
を大きく振り上げた。






「ンギェーッ!」

 アヌス栓が一気に肛門に突き刺った瞬間、梨絵は絶叫しながら、顔をのけ反らせ、テーブル
から転げ落ちた。床に転がってからも、両の脇を握り合わせるようにして、苦悶を続ける。

「裂けてしまうじゃありませんか! あんなことなさっては……」

 守田が抗議した。

「心配するな、守田君。梨絵は並の女じゃないんだ。特に、肛門は丈夫だよ」

 永野が梨絵に近づいていって、無事を確認してから言った。

「大丈夫だ。さあ、立つんだ。梨絵」

「はい。ンーッ、御主人様」

 彼女は再びテーブルの上に、四つン這いになるように命じられ、従った。彼女の肛門は、太
いアヌス栓のために、セピア色の襞を、伸し切っていた。太過ぎるアヌス栓のせいで、秘唇ま
で形を歪めている。



肛虐の嵐





「こいつは私が特別注文して、作らせた珍品なんだよ。フフッ」

 太い栓に寒がれた梨絵の肛門を眺めながら、永野は満足気な微笑を洩らしていた。

「どういうことなんです、御主人様」

 守田にも、新しいアヌス栓が、今までのものと違うことは理解できた。それまでのアヌス栓
は、抜き出すためのレバーが付いていたが、新しいものには、なかった。代わりに、中心に直
径一センチぐらいの穴が開いていて、周囲に、金庫のダイヤルみたいに細かな目盛りがある。
赤い小さな押しボタンも付いているが、何のためかは、守田にも分らなかった。

「今までは、浣腸責めの時に一旦、抜き取らなければならなかったが、今度のは、挿入したま
まグリセリンを注入できるんだよ」

「まあ……!」

「逆流しないから、汚いものが漏れたりはしない。フフッ、安心して、便意に苦しめるって訳
だ」

「普通にウンチする時は、抜き取ればいいんですね」

「いやいや、そうはゆかん」

「……?」

「フフッ、タイマーが内蔵してあってな。時間がくれば、自動的に、逆流防止弁が開いて、こ
の孔から、排便できるんだよ」








「でも、社長……」

 守田が口を挾んだ。

「その孔は小さ過ぎやしませんか? それじゃ、普通の便は、排出できないんじゃ……」

「その通り。排便する時には、必ず、浣腸しなければならないってことだよ」

「そりゃあ可い想ですよ。社長」

「いいんだ。浣腸責めが好きな女だからな」

「よく理解りませんわ。御主人様。そんなことしなくても、アヌス栓を抜いてしまえば、普通
にウンチできるんじゃないんですか?」

 梨絵が永野の方に、不安気な顔を捩に向けて訊いた。

「フフッ、抜くことができればな」

「………!」

「このアヌス栓は、抜けないようにできるんだよ」

「抜けないように?」

「永遠に抜けないようにできるのさ。フフフ」

 不気味な笑いを洩らし、永野がアヌス栓の底の赤いボタンに、指先を延し、強く押した。

「グワッ、グウーッ!!」

 その瞬問、梨絵はまた、背骨を波打たせるようにして、身悶え、呻いた。

「ンーッ、何かが、お尻の穴の中で…クウーッ!!」

「フフッ、先端が、傘形に広がったんだよ。

 これでもう絶対に、抜き取れなくなったって訳だ」

「そ、そんなこと、アア! 御主人様、ウソでしょう。そんな……」

「嘘じゃないぞ。守田君、ほら、ボタンをもう一度押したって、どうにもならんだろう」

「……!!」

 永野の言う通りだった。底には、鍵穴もなかったし、他に、抜き取るための仕掛けも見当ら
なかった。

「それでは、御主人様。御主人様も……お楽しみになれないじゃありませんか」

「何のことだ。私はお前の肛門を虐めていれば、充分に楽しいぞ」

「御主人様は、その…私の…お尻の穴をお使いになるのが、お好きでしたわ」

「アナル・セックスか。私より、お前の方が好きなんじゃないのか。それに、私のことなら、
心配などせんでいい。別の出来のいい肛門を見つけてある。守田君は知っているだろう。 電
算室の加納美也子。あの女もなかなかいい肛門をしておったぞ」

「……!」

 加納美也子は、社内で評判の美女だった。

「アアッ、ひどいですわ。それじゃ、私はどうなるんです」

「フフッ、大好きなアナル・セックスは、できんようになってしまったな。だが、時々は、肛
門を虐めに来てやるさ。さあ、早速、新しい栓の出来を試してみようか」

 永野は五〇〇cc用のガラス製浣腸器と、グリセリンを一瓶持ってきて、全量吸い上げた。

「しかし、梨絵。私のチ○○○は咥え込めんようになっても楽しめるぞ」

 永野は五〇〇ccのグリセリン原液を、一気に注入すると、アヌス栓のタイマーを、二四〇〇
に合わせた。

「二四〇〇っていうのは、まさか、二四時間って意味じゃ……?」

 守田が心配になって訊いた。

「その通りだよ。私は今夜もヤボ用があってな。梨絵にはつき合えんから、楽しみだけ残して
おいてやろうと思ってな。ほら、このアヌス栓は、タイマーをセットすると、バイブになるん
だ」






 梨絵の肛門というより、白い尻全体が、激しく震動していた。強烈な震動だった。

「ちくしょう、何てことをしやがるんだ!!」

 守田は永野の車で、最寄りの駅まで送ってもらったのだが、すぐに引き返してきた。

「ングアーッ、お兄ちゃん、ンググウッ!」

 それまでに、三〇分以上も経っていて、梨絵の苦悶は、既に、始まっていた。彼女は床を転
げまわり、激烈な便意にのた打ちまわっている。

 残酷なアヌス栓を、何とか抜き出せないものかと、守田は彼女を押えつけて、脚を開かせ肛
門を覗き込んだ。

 底の部分に、指を引っ掛けて、引っ張ってもみたが、そうすれば、梨絵が痛みにのけ反った。
傘状に開いたアヌス栓の先端が、直腸の当りに引っ掛っているのだ。

「そうだ。タイマーを戻せばいいんだ!」

 ダイヤルを廻そうとしたが、動かせなかった。守田は目の前で、悶え苦しむ梨絵を見ている
しかない。

「お兄ちゃん、縛って。私、お兄ちゃんに、責めを与えられたと思うことにするわ。ングエー
ッ! そうすれば、きっと、辛抱できるわ。クァ!ッ!!」






「梨絵!」

 守田は胸が熱くなった。

「思い切りきつく縛ってやるぞ」

 守田は梨絵の苦悶する躰を、厳しく高手小手に縛り上げた。ウエストなどは、縄が見えない
ぐらいに食い込んでいた。

「嬉しいわ。お兄ちゃん。でも、もう、お兄ちゃんにお尻の穴を、可愛いがってもらえなくな
ったのね。このアヌス栓は、一生外せないんだわ。もし、私が死んだら……。躰を焼かれても、
アヌス栓だけ残ってしまう。何て恥ずかしいの。ングウーッ!!」

 新型のアヌス栓は、ステンレスでできているのだ。

「でも、お兄ちゃんも死んだら、また天国で私のお尻の穴を、可愛いがってくれるでしょう。
ングアーンッ!!」

 苦しみに耐えるためか、梨絵は喋り続けるのだった。

「よせよ。梨絵はたった今から、俺のものだ。どこかへ行こう。あんな会社、辞めてやる。ど
こか遠くへ行って、ふたりで暮そう」

「ホント? お兄ちゃん。アグッ!」

「ほんとうさ。さあ、行こう、梨絵」






 守田は素っ裸で高手小手に縛り上げたままの彼女に、コートを羽織らせ、前のボタンとベル
トを締めてやった。

 両腕が背中にまわされたままなので、奇妙な格好だったが、そのままマンションを連れ出し
た。

「どこへ行くの? ングウッ!」

 守田に腰を抱かれて歩きながらも、彼女は苦悶し、呻き続けていた。



哀しきハネムーン





 数時間後、守田は激烈な便意に苦悶する梨絵と、列車に乗り込み、北海道へ向った。

 目的があった訳ではない。駅へ着いた時に、ホームに入ってきたのが、函館行きの寝台特急
だったのだ。

「ングウッ! お兄ちゃん。猿轡をして、でないと呻き声を聞かれてしまう。ンーッ」

 寝台の上段に二人で潜り込む。窮屈だったが、守田は少しでも梨絵の側にいてやりたかった。

「よし、ベルトでいいな」

「うん。それから責めてほしいの。どんな責めでも構わない。うんときつく責めて。ンムウー
ッ!」

 便意を忘れるぐらい責めてほしいと言っているのだろう。ポケッドの中にあったハンカチを、
彼女の口に押し込むと、ズボンのベルトで、頬がくびれ上るほど、強く猿轡を噛ませた。

「ようし、クリトリスを責めてやろう」

 梨絵を仰向けにし、コートの裾を捲り上げると、無毛の丘があった。

 更に、脚を開かせると、太いアヌス栓に封鎖された肛門があった。アヌス栓は相変わらず、
激しい震動を続けていたが、梨絵には楽しむ余裕などなかった。

「クリトリスを弾いてやる。こたえるはずだぞ」

 ツルリとした秘唇をこじ開けると、容易に見つけ出せた。守田はその薄い表皮を剥き上げる
と、鮮やかなルビー色のそれに、右手の人差し指を構えた。

「ングヒィーッ!!」

 爪の先で強ぐ弾くと、梨絵は猿轡の下から、呻きを漏らし、上半身を波うたせて悶えた。

「もう一度だ」

「ングウーッ!!」

 同じことを、何度も繰り返した。その度に、梨絵は呻き身悶え、全身を締め上げている縄を
軋ませた。

 そして、遂に、過激な苦痛のために、眠るように気絶してしまった。

「そのまま気を失っていろ。タイマーが開く時間まで、眠っていろ」

 苦しみから解放され、静かな寝息を立てている彼女を抱き締めながら、守田も眠りに落ちて
いった。

 だが、便意は、苦痛からの逃避を許さなかっだ。二時間もすると、彼女は再び、耐え難い便
意に、苦しみ悶え続け始めた。守田ももう、彼女を抱き締めることしかできなかった。

 青函トンネルを抜け、白い大地が朝陽に輝き始めた頃、梨絵は何度目かの失神から覚めた。

 青森で多くの客が下車したために、下段が空いていた。梨絵は下段のシートで、苦悶しなが
らも、美しい冬景色を、守田の胸の中から眺めた。

「ングッ、お兄ちゃん……新婚旅行みたいね。ンッ!」

 守田の腕は、彼女の躰が、苦悶のためにのけ反らないように、強く彼女に巻きつけられてい
るのだった。

「新婚旅行だよ。俺達、結婚するんだよ」






「お兄ちゃん!!」

 梨絵が笑った。だが、笑顔はすぐ苦悶に掻き消されてしまったからだ

「何だか、私の肉体まで、きれいになってゆくみたい。ウフッー」

 白く輝く雪の大地のせいか、梨絵がそんなことを言った。

 守田も同感だった。東京で灰色に汚れてしまった心まで、清められてゆくようだ。

 函館の近くの温泉に着いたのは、正午少し前だった。

「大丈夫か、梨絵」

 梨絵は函館駅から、旅館までのタクシーの中でも、気を失ってしまったのだ。

「うん、ググッ、大丈夫。私、マゾだもの。ねえ、お兄ちゃん。新婚旅行なんでしょう。色々、
観に行きたいわ」

「しかし……」

「心配しないで。その方が気がまぎれるの。連れてって、お兄ちゃん。ウウッ!」

 アヌス栓が開くまでは、まだ随分時間があった。

「よし、行こうか」

 二人は函館に戻って、函館山や函館ドックなどを観てまわった。宿に戻ってきたのは、七時
を少し過ぎた頃だった。

 梨絵は夕食を食べることができなかった。

 守田も簡単に済ませて、酒を頼んだ。

「どうだ、梨絵。酒だ。こいつがあれば、酔っ払えるぞ」

 酔っ払ってしまえば、少しは便意を忘れることができるのではないかと、守田は考えた。

「嬉しい。でも、お兄ちゃん。お浣腸器がないわ」

「俺が入れてやるよ。ウンチができなくでも、追加注入はできるようだからな」

 と、守田は梨絵のコートを脱がせると、四つン這いになるように言った。バイブのせいで激
しく震える白い尻が、彼の前に突き出されていた。

「入れるぞ」

「うん!」

 守田は一升瓶の口を姪えて、口の中を酒で一杯にした。そうしてから、梨絵の尻の谷問をこ
じ開け、アヌス栓の底に、唇を押しつけていった。

「ムムムゥーッ!」

 バイブの震動が直接伝わってきたが、構わずに、どんどん酒を注入した。

「ンーッ、苦しいわ。でも、いいの。お兄ちゃん、もっと入れて……」

 一升瓶が半分ほど空になった時、梨絵の下腹が、やや脹らんできたのだが、守田は注入を続
けた。そして、とうとう一升全部を、梨絵に注入してしまった。

「どうだ、梨絵。少しは楽になったか?」

「うん。すごくいい気分よ。まだまだ辛抱できそうになってきちゃった。ねえ、お兄ちゃん…
…して」






 一〇分ほども経つと、彼女の白い肌が、ほんのりと色づいてきた。守田はそんな彼女が、可
愛くてならなかった。

「でも、梨絵はお尻の穴でする方がいいんだろう?」

「うん。でも、もうできなくなってしまったもの。お兄ちゃんは……こっちでもいいんでしょ
う」

 梨絵が仰向けになって、両の膝を立て、そして、ゆっくりと開いていった。

「ねえ……入れて。お兄ちゃん。私、お兄ちゃんを楽しませてあげたいの」

「梨絵!」

「ングウッ! アアッ、早くう」

 再び、地獄の便意が始まったようだった。

 守田は裸になると、彼女の濡れた秘唇に、硬直を押し沈めていった。

「ハァン!ングウッ!!」

 梨絵の唇から洩れてくる声が、便意のためなのか、快楽のためなのか判らなかった。ただ、
彼は梨絵に便意を忘れさせてやろうと、精一杯、激しく腰を使い続けた。

 しかし、彼女の肛門のアヌス栓バイブの激しい震動が、守田にまで伝わってきて、長い時間、
行為を続けていることはできなかった。

「すまん、梨絵」

「ううん。いいの。私、お兄ちゃんにしてもらって、嬉しいの。グウッ! それに、もうすぐ
時間よ」

 タイマーの切れる時間が迫ってきていた。

 時問がくるまで、二人は素っ裸のままで、強く抱き合っていた。

「後、二分だ。梨絵。こっちへ来い」

 タイマーのジーッという音が、やけに大きく聞こえた。

 守田は彼女を抱き起すと、部屋のトイレにしゃがみ込ませた。

「見ていて。お兄ちゃん。私、お兄ちゃんに見られるの、好きだから。ングウーッ!!」

「ああーそれからは梨絵がウンチする時も、オシッコする時も、俺が見ていてやる。梨絵の総
てを、俺は見ていてやるぞ」

タイマーの音が止んだ。

「ムアツ、ンアアアアーツ!!」

 カシャッという小さな音が聞こえたかと思うと、梨絵の肛門から、いや、肛門を封鎖してい
るアヌス栓の中心から、勢い良く、水のように溶けた汚物が吹き出した。

「梨絵!」

 排泄し終わった梨絵は、危く便器の上に崩れ落ちるところだった。守田が抱き止めてやった
のだが、そんな彼の腕の中で、梨絵は気を失っていた。

 翌朝、早く目覚めた守田は、梨絵がいないことを知って、布団を跳ねのけた。梨絵を縛って
いた縄束が、きちんと結ばれて残っていた。彼女のコートも見当らなかった。

「梨絵!」

 守田は浴衣の裾を乱したまま、部屋の外に飛び出した。宿の女将が声を聞きつけてやってき
た。

「何でも、急用ができたからと……これを預っております」

 と、守田の手に、メモが乗せられた。それにはこう書いてあった。

お兄ちゃん。アリガトウ。一生で、一番幸せな一日でした。でも、お兄ちゃんはやっぱり、
会社へ戻るべきだと思います。御主人様がお兄ちゃんを私に会わせたのは、お兄ちゃんが、信
頼されているからに違いありません。だから、お兄ちゃんは普通の生活に戻って、幸せになっ
て下さい。 私は御主人様のところへは戻りません。さようなら″












動画 アダルト動画 ライブチャット