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サディズム・バイオレンス
灼熱の処刑室


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*両足を大きく開き、高々と逆さ吊りにされた
女の中心に、蝋燭が突き立てられると、ほの白い
灯りの中で人妻悦子は、珍妙な律動を始めた。







街のダニに咬みつかれた美しい人妻のハダカ踊り!

盗み撮り


『よっ。このむっちりした股でよ、あの若僧をくわえこんで〜良い目をしたんだよな。え、おい!』

私立探偵の染川貢はもみあげが長く剃痕の青いニヒルな顔をにたりとゆがめながら、座敷のまん中に引きすえた人妻の股のあいだに木刀をねじこみ、こじあけるようなしぐさをした。

『ひえっ!』

人妻は悲鳴をあげながら、必死に股をあわせ、それを防ごうとする。

28、9の美しく上品なうちにも、じつとりと脂のような色気をにじませている。

知人の結婚披露のパーティに出席した帰りである。薄緑色の地に御所車をあしらった手がき友禅染めの付け下げが、明るい午後の座敷でぱ―っと燃え立っている。名は悦子といった。






その裾のあわせ目が割れて、白くむっちりした太腿の一部が、はやくもはじけだし、乱れの風情をみせていた。

『医学博士でエリートで、しかもハンサムで金持ちでよ。その人のおくさんともあろう人が、よくもまあ、大それた真似をしたもんだよ。ネタはすっかりアガってるんだぜ。これこの通りな。おい、見せてやんな』

染川が顎をしゃくると、彼の助手をやっている醜怪な、奇型的な容姿をした40男が白い角封筒をポケットから取りだし、なかから数枚の写真を引き抜き、悦子の目の前につきつける。

『あ―っ』 女はちらっとそれに視線をあてたがすぐ顔をそむけて、絶望的に身をよじった。

いつ、このようにして撮られたのか、おそらく手のこんだ方法で益み撮りしたのだろうが、そこには、ラブ・ホテルの一室での、彼女と若い愛人の情痴の姿態が鮮やかにうつしだされていた。彼女が両脚を宙に突き上げるようにして股をひろげ、そのあいだに男が顔を埋めこんでいるポーズや、そのときの役女の愉悦の表情までが、ありありと撮られていた。染川は、旅館の女中を色仕掛けで買収し、盗み撮りの便宜をはからせたのだ。私立探偵の立場を利用して他人の弱点をつかんでゆすりタカリをやる彼には、お手のものの芸当だった。

『いやっ、もういやっ!』

顔をそむけたその鼻先に写真がまたぬうっと追ってくるので、悦子はそれを払いのけるように手を振った。

染川はさらに、そのときの悦子と男のムツ言や彼女の録音したテープを流しはじめた。火炎を噴きあげるような、彼女のクライマックスの愉悦の声が、いやおうなしに耳の穴に突き刺さってくる。悦子は目を閉じ手で耳を覆い、見ることも聴くことも拒絶した。




花襞袋無情



しかし、そうしてもいられなかった。手がおるすになったのを見すまして、染川がまたぐい、と木刀を股にこじ入れてきたのだ。それは、きっちりとあわせた腿と腿のあいだにすべりこみ、その奥にみっしりとはさみつけられている花襞をいたぶりにかかった。

『あっ』 悦子はあわてて手を耳からはなし、木刀をつかんだ。

『おっと、それはないでしょ。もしこれが本身だったらどうする。その可愛いおててがこう切れて、赤い血が出るぜ』

染川は悦子をからかった。それから助手の40男に、

『おい、その邪魔な手がよけいな真似をしないように縛ってしまいな』 と命じた。

男が心得えて盛装のままの女を縛りはじめる。その手つきの慣れが、こんなことをやりつけていることを示していた。輪になった縄束が一端からしゅるしゅるとすべるようにほどけ、畳を叩いて蛇のようにうねった。そして彼女のからだに巻きついていく。

『あっ、何をするのっ!』 悦子は抗議したが、男同士の情け容赦もない様子を見るとあきらめて、

『ね、わたしをこんなところに連れこんで、何がほしいの? ね、お金だったら払うわ。ね、取引きしましょ』

と水を向けてきた。

『本当はそう願いたい所だがね。あんたが、あんまりいい女なので、ここに連れこんだとたん気が変わっちまったのさ。ホラその裾の間からチラチラのぞく白いものが、どうにも目の毒でねえ。金よりはそっちの方が良いって寸法さ〜』

『い、いけないっ』

彼女はあわてて腿と腿をあわせ、そこにそそがれている男の視線を拒むようなしぐさをしたが、皮肉にもそのしぐさにつれて裾はいっそう大きく割れ、膝小僧から太腿のつけねのあたりまで借し気もなくのぞかせた。

『それそれ、そうこなくちゃあ!』

二人の男の視線が、舐めずるようにそこをはいまわる。その乱れた裾をつくろうにも手を奪われた彼女には、もうそのすべはないのだった。

『ああ』 税子は唇をかみ天をあおいだ。それがいっそう生きていろ縛り絵に凄艶さをそえた。

彼女は結婚披露宴の会場から出てきたところを、

『おくさんちょっと』

例の40男に呼びとめられた。そして、誰知るまいと思っていた、愛人との秘密の情事のことを、

『知っていますよ』 と匂わされたのだ。

そのことで話があるといわれ、さからうすべもなく、促がされるままに近くにとめてあった車にのりこんだのである。




逆さ吊り



ここは染川がある人物から管理を委託されている邸宅である。その人物は一家をあげてアメリカに在住している。それをいいことに染川はここを根城にして、さんざ悪いことをしているのだ。

『じゃあ、わたしを、いったいどうしようっていうのっ?』 税子は窮鼠猫を噛むといった風情で柳眉をさかだてた。

『こうするのさ!』 染川はいきなり縄の一端を操作した。

『あっ!』

悦子のからだがぐらり揺れたかと思うと花がくずれるように、そのからだが、頭を下にして逆さまになった。いつのまにか彼女は、滑車つきで天井から吊るされた格好になっていたのだ。本格的な処刑がはじまる前に、雨戸が閉めきられて部屋は暗くされた。逆さ吊りである。そのはずみに両脚が左右に泣き別れとなり、バンザイの格好になった。
着物の裾はバラリとまくれて、下に落ちてしまったので、もう、脚の眺めをさえぎるものはなかった。

染川は彼女の罪障のつぐないを、そのからだでさせる気でいる。彼女の秘密の情事を嗅ぎつけ、その身もとも知れた以上、亭主にバラすぞと脅して、金を巻きあげるのはいともやさしいことだった。しかしそれよりも、彼は女のからだから取りたてるほうをえらんだ。

『これほどの素材に、まだお目にかかるとは限らないからなあ』 と思った。

とことんまで、花をいたぶってやるのだ。

『もうカンニンして…なんでもします』

彼女が腎の裏を出して、染川の足もとにはいつくばるまで、徹底してやる。

『どうだ、くるしいか?』

染川は逆さ吊りにした人妻のそばに歩みよった。逆さに吊られながらキラキラと憎悪にかがやく目で、染川を睨みつけていろ女の表情が美しい。両方の足首にそれぞれ縄がついているのでそれを操作すれば、いくらでも大股びらきのかたちにもちこめる。
ふつうの大股びらきとちがい、逆さ大股びらきの景観はいっそうすさまじい。ふくらはぎの筋肉が緊張してもりっ、と盛り上がっている感じがなんともいえない。

『もっと縄を引っぱれ』

染川は男に命じた。縄は両方にしぼられ股びらきの角度は、これ以上開きようがないという所まで大きくなった。

『ああっ、ああっ!』 関節が痛むのか、悦子が悲鳴をあげた。

『待ってなよ。いまホグして、らくにしてやるからな』

染川は孔雀の羽根をもってくると、彼女の裸の股から膝、さらに足先にかけて、こちょこちょくすぐりはじめた。

彼は、女の体が笑うツボをちゃんと知っているのだ。だがこのクスグリも、時と場合によっては、この上ない責苦となり、今、この人妻がうけてる仕打ちがそうだった。しかし、その狂智にたけたくすぐりで、今にも間接が、ポキッと音をたてて外れそうになる苦痛が、いくぶんか、粉らわされた事は確かだった。

染川は、そうやって女のからだを笑わせながら、

『ほれっ、いくぜ!』 ぎりっ、ぎりっ、と極根にまで股を押しひらいていく。

『いいぞ、もうひと息だ。ホレ!』

『ああっ!』 悦子は分娩でもするときのように、苦痛のあまりうめき声をもらす。

とうとうその苦痛が極限にまで達した。弓弦は、これ以上引き絞りようがないと言う所まで引き絞られたのだ




のぞき窓


『やったぞ!』

染川は歓喜の声をあげた。
人妻の左下の脚は、ほとんど横一線になるまで、大きくひらいた。頭を下にしたTの字である。

そんな無理な姿勢をとっているので、背筋が反転して引きつッたような状態になり括約筋が異常に絞りこまれる状態をつくりだしていた。






染川はその中心にあるポットをたしかめてみたくなった。それはあわいピンクのうすぎぬで隠されている。それを引きはいでしまえば、ポットに花をいけることさえできそうだった。染川はそのうすぎぬを一気に引き裂いてしまいたい衝動をこらえながら、じわじわとたのしみにかかる。

『いま、窓をあけてやるからなっフリルつきの、すばらしい窓をな』

彼はタバコを一本つけると、二、三回うまそうにすぱすぱ吸ったあと、薄い布地の中心に押しあてた。繊維の焦げるにおいがした。つづいて、毛の炊ける動物質の臭気が鼻をついた。

『きゃっ!』

悦子のからだがピクツと動いた。タバコの火のついた先端は、みごとにその中心をうすぎぬごしに探りあてていたのだった。人妻は骨盤をふりまわすようにして、必死に悶えた。その動きにつれて、うすぎぬの覗き窓は、みずから後々にその傷口をひろげていった。

『ソラソラ、そんなにハデにあばれると、だんだん穴が大きくなって、いまにまる見えになるぜ!』

染川はそんなことをいいながら、つづいてタバコの先をそこにあて、覗き窓がひろがっていくのを手助けした。そしてしまいには、もう、うすぎぬの穴に指を入れ、びりっと引き裂いてしまった。タバコの火は人妻のやわらかい丘を覆っている黒い樹林の一部を焼けちぢれさせただけで、そのあいだでぬかるんでいる柔らかい粘膜の襞にまでは被害をおよぼしていないようだった。しかし、ほんのちょっぴり、火ぶくれのようなものができている部分があった。

『よしよし、いま治療をしそやるからな』

口ではやさしそうなことをいいながら、染川がそこにつけてやったのは、油ぐすりではなく赤チンだった。

『ヒエーッ―』 人妻は魂切るような声をあげた。

染川は男に命じて天井から吊るした縄をすこしゆるめさせた。いぜんとして逆さ吊りの状態ではあったがこんどは肩が床についているので、前よりはずっと重力の抵抗がすくなくなった。しかし、そのかわり、からだは胸から腹にかけてのあたりで、ぐつと二つに前に折りこまれるようになりもはや、その臀の穴までが染川の前にあますところなく、さらけ出されたのである。

『こう花瓶が2つもあったんじゃ〜空けておく訳にもいかないナ〜何か花でも刺してやろうか?何色の花が良い?』




人間燭台


二つ並んでくっついている一輪ざしにさされた赤いカーネーションは、その花と花を触れあわんばかりにしながら、ぴりぴりとふるえていた。

『水揚げが良いとみえて、活きがよくなったぜ。それにしても花の中に花が刺さってるなんて良い眺めだ』

だが染川は、このすばらしい万能ポットをもっと、ほかのことに使ってみたくなったらしい。

『おつぎはローソクだ』

大きなデコレーション付きのカラーキャンドルをもってこさせると、それに火をつけ花を抜き取った後に突き立てた。

抜き取った花のうち一本は、人妻の口に横咥えにくわえさせた。逆さで股をひろげ、そうやって花をくわえおまけに人間燭台の役目をさせられている人妻の様子は、珍妙とも凄絶ともいいようのないものだった。これ以上の屈辱もなかった。その屈辱に燃える肌が、みずからのからだから突きだしたローソクの光の中で、しらじらと半球状に浮かびあがり、ゆらめいていた。そのうち、ロウがとけて流れて、肌を灼きはじめたのだ。

『あ、うっ!』 美しい人妻は、世にも珍妙なさかさ尻ふりダンスをはじめた。

『よ!し、向こうの部屋から、野郎をつれてこい!』

『おっ』 手下は答えると奥の部屋に入ってゆく。

まもなくそこに引き出されてきたのは、ブリーフ一枚の姿で縛られた若い男である。

『あっ、清登さん!』

その男の顔を見ると、悦子は絶望的な悲鳴をあげた。それは染川たちに例の物的証拠をあつめられた、悦子との不倫の相手だった。

『あっ、おくさん!』 林田清登は悦子の異常ななりふりを見ておどろきの声をあげた。

最初はそれが誰であるか、見分けもつかなかったのだ。しかし、悦子のさかさになった口から洩れた声が、それと知らせたようだった。

『どうした色男。ホレ、よく見な。いくら恋人でも、こんな珍妙な姿は見たことがねえだろ。亭主だってそうだ。おシャカ様でも御存知あるめえってやつだ。おれたちはいつだって女の珍ポーズを新規考案するのさ。新案特許のアイディア産業というやつだ。しっかり目にとめておけよ』

たしかに染川はそうしたことに悦びを感じているらしい。その目は妖しく憑かれたような光をおび、狂的に悦子の肢態を舐めまわしている。仲間たちもそうだった。

『おまえたち、よく研究しておけよ』 染川から言われ、熱心に悦子の様子を観察している。

もっとも、なかには熱心が昂じて、つい手をのばし、悦子のからだに触れてみようとする者もいた。火のついたローソクを咥えこみロウ涙と熱気にちりちりとふるえている繊毛をひっぱったりするのだ。

『おい、いい加減にせいよ』 と、たしなめるのだった。

そうしている間にも、ロウ涙は、タラッタラッと、溶けて流れ、クリスマスケーキにかけられた砂糖のかたまりよろしく密林地帯を侵しはじめた。それは、火山の爆発でふもとの森林地帯を侵しはじめた溶岩の流れのょうだった。

『あ、熱いっ、熱いわ!』

人妻は悲鳴をあげ、ひろげた両股をふるわせた。内股やふくらはぎの筋肉がもりっ、と動くのが、よくわかった。

『どうだ、いい眺めだろう。さしあたり砂糖づけの杏っていうところさ、舐めたくなるようなものだ』

染川は自分のつくり出した芸術品に、酔っている様子だった。

『う、う―っ。なんて、ひどいことを!』

林田清登は口惜しそうにうに、わめきながら、必死にもがいていた。長髪が乱れて、その間から、目が爛々と輝いていた。この青年は、あるピアノバーで、ピアノ弾きをやっているのだった。悦子とは、彼女が医学博士と結婚する前からの開係である。悦子の結婚によって一時途絶えていたその関孫は、最近になって、また復活した。林田のほうは以前通りだが、悦子のほうが人妻になったという状況の変化のなかで、二人の不倫の情熱は、激しく火を噴いた。
それが染川達のキャッチする所となったのだ。エリートの医学博士に誇り高い人妻、それにからむ第三の男。

『こいつあ、絶好だ!』

おあつらえむきの好餌に染川がふるい立ったのも無理はない。染川は自分のいたぶりに自分で興奮していた。それは悦子のからだ、そのパーソナリティが、責めの素材としてすばらしい反応をしてくれたからだった。ひどく張りあいがあるのだ。それが次から次へと、新しいアイディアを生み出させてくれるのだった。



啜り泣き


『おいっ、もとにもどせ』 染川は仲間に命じた。

彼らが滑車とロープを操作する。悦子のからだはぐるりと一転し、今度は頭が上になった。そのまま、床上2mの空中に固定された。オリンピックの体操選手があん馬をやる時の一瞬の空中ポーズの様だった。そのポーズのまま連結されたのだ。

『よ―し』

染川はニタニタしながら、ためつすがめつその姿を観賞した。






不思議だったのはそのポーズになっても火の灯ったローソクが以前として彼女の肉の燈台に保持されてる事だった。さっきまでの上向きと違い下向きにこそなってたが、まだ炎を灯していた。

その角度は斜め下向きだった。ほんとはするっと抜け落ちてしまいそうなものだが、軟肉のしめつけがそれを防いでいるらしい。

『それみろ』

それを見て、染川は言った。

『おいしいおいしいキャンデーだから、口からはなすのが、いやだと言っている』

しかし、悦子はそうしたくて、しているわけではなかった。さっきからの、手を変え品を変えての責苦で、全身に筋緊張を生じ、それは彼女のからだの中心をも硬直させていたのだった。



それは、しつかりとローソクを咥えこませていたのだ。

それだけではない。筋肉はリズミカルに律動していたので、そのたびに、ローソクがぴくん、ぴくん、と動くのだ。

『ホラ、みろ。女がオッ立てている』 染川ははやしたてた。

悦子はくやしそうに唇をかんだ。びくっ、ぴくっ、とローソクが動くのは、たしかに染川の言うように、男のエレクション状態を思わせた。

それは、がんらい内側のものであるべき彼女の生理的な律動を、これ見よがしに外にあらわしていたのである。

逆さ吊りにされていたときは血が下がって上気していた悦子の顔が、いまは紙のように白くなっていた。激しい羞恥と苦痛にさいなまれ、彼女はその極限をさまよっているように見えた。それは、この世のものとも思えない凄絶な美しさだった。悦子はしだいにぐつたりとしてきた。大の字びらきになったまま、ぐつたりと首を垂れている。それでもどきどき、じつとしていた網の中の魚がとつぜん銀鱗を躍らせるように、

『ううっ』 とうめいて身を悶えた。

しかし、すぐまた、ぐつたりとなる。すでに体力を消耗しきっているので、動きが長つづきしないのである。

『おっと、おねんねするのは、まだ早いよ』 染川はせせら笑った。

『待ってな。いまに、目をさまさしてやるからな』

そのとき、税子のからだから突き出したローソクが、ぴくん、ぴくんと大きく、2、3度動いたかと思うと、ポトリと床の上に抜け落ちた。仲間の1人が、すばやくそれをひろい上げて始末した。

『おや、もうキャンディのおしゃぶりはやめたのかい。マイベイビィ』

ようやく悦子のからだに弛緩がおとずれたのだった。

『しようがねえな。それじゃ、ヨダレをたらしたり、お洩らししてもわかるまいよ。しつかりたのんまっせ』

しかし染川は、抜け落ちたローソクをもう一度彼女のからだに、もどさせようとはしなかった。それは、彼がその次にしようとしていることにとって、かえって都合がよかった。




黒い競演



こんどは林田清登の出番だった。彼は観客席から舞台に引っぱり出された。

痩せた長身の青年で、からだに巻きついた縄のあいだから、浮き出した筋骨がのぞいていた。それが、彼の置かれている立場のみじめさを強調している。

もうひとつみじめなのは、そんな状態なのに、彼にエレクションが起こっていることだった。それはブリーフの布地を突き上げ、はっきりとその所在を顕示していた。彼はそんな自分に深く傷つき、屈辱感をおぼえていた。

『どうしようもないよ。こうなっちゃって』そう言いたげだった。

そんな管理された状態の中でピンピンさせているなんて、考えただけでも、みじめなことだった。

しかも、いい見世物になって、その姿をさらしているのだ。おまけに、悦子と仲好く競演で──。

それにもかかわらず、彼のエレクションは絶望的に、その激しさを増していた。悦子の上に加えられている異様な責苦のありさまがそれを背き立てるのである。

『くそっ!』



そんな自分に、彼は苦悶した。そしてなんとか抑止しょうとした。しかし、そうすればするほど、いよいよ激しくそそり立ってくる。

『さあ、そろそろ、いくとするか』

染川は仲間に命じて林田清登を部屋のまんなかに引き出させた。それから、

『さ多、脱がしちまえ』

と、そのブリーフをはぎ取らせた。覆っている物がなくなったので彼のエレクションは、いっそう盛大に、その姿をさらすことになった。

『ばっかが、オッ立ておって』

染川は顔をそむけて苦笑した。すると、仲間たちもどッと笑った。その嘲笑の姿のなかで、林田清登は屈辱のあまり顔をまっ青にしていた。

彼が引き出された場所は、床上2mに引き上げられた悦子の真下だった。はじめ悦子も林田も、それが何を意味しているのか気がつかなかった。






しかし

『よし、はじめろ』

染川が合図をし、滑車がゴトゴトと音を立てて悦子のからだが下りはじめると、

『もしや?』という予感が脳裡をかすめた。

その通りだった。染川は二人を上と下からドッキングさせようとしていたのだ。

『あんたら、やりてえんだろ?』 染川は言った。

『ここんとこ、しばらく逢ってねえもんな。ああ、いいとも。おれがやらしてやるとも。ゆっくり愉しみなよ。今日はひとつ風変わりなポーズでやってみな』

滑事の回る音がし、林田の目の前に白いかたまりが下りてきた。それは林田の視野の中でぼ―っとかすんでいた。まるで、何かの御神体が降臨してでもきたように……。



美肉降臨



林田はかっと目を見ひらいた。するとその白い肉のかたまりは、はっきりとした形をととのえてきた。

裂かれた太股やそのあいだで地熱を囁いている乾潮を彼は見た。それはなおも下降をつづけている。

そのまま下がれば、その下でそそり立っている林田のタワーとまっすぐドッキングするはずだった。

獣じみた男たちに見られながら、そうしたドッキングを演じるのは、なんという屈辱的行為だろう。

でも林田は恥知らずにも、いまはすっかりその気になっていた。彼はつらぬきの権化と化して、美肉が降臨してくるのを、いまやおそしと待ちかまえていた。

しかし、男たちのそれまでのやり口から見て、それがすんなり達成されるとは思えなかった。何かの企らみが、かくされているはずだった。

その通りである。

『おっと、そこまでだ』

染川の声がかかったのは、美肉がおいしそうな匂いをさせながらもっちゃりと林田の膝にかぶさりそうになった、その直前だった。悦子の乳房は、林田の目の高さにあった。二人の雌性と雄性を距てているのはほんの2〜3pで、まさに触れ合わんばかりの近さだった。

『さあ、どうした。もうひと伸びだぜ。お前さんのじまんのモノを、もっと伸ばしてみりゃどうだ!』

勝ちほこった染川の声がひびく。

しかし、そう言われたからといって、どうなるものでもなかった。林田は無念のくちびるをかむだけだった。

『よし、ここで、選手交代だ。ジョニ黒を呼んできな』 染川は手下に命じた。

やがてのっそりと姿を現わしたのは、その奇妙なニックネームが示すょうに、ジョニ黒のボトル並みの巨大な武足をもった、ジョニーという名の黒人だった。

『さあジョニー、ゴー・オンだ。一発で女がガタガタになるお前さんの凄い奴をこの男の目の前で見せてやんな』

人里離れた夜ふけの邸宅で、今や性奴と化した人妻と陰獣たちとの灼熱の狂宴が続く…




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